マイナンバー制度と養育費・児童扶養手当

マイナンバー制度が導入されたことにより、今後は、銀行口座情報などとも紐付けされることになるでしょう。そして、養育費の8割は所得に換算されるので、離婚後、銀行振り込みで養育費を貰っている場合、マイナンバー制度が関与してくることも考えられます。

マイナンバー制度と養育費の関係について

マイナンバーが導入されたことで、養育費問題などの解決に繋がれば良いでしょうが、養育費や児童扶養手当にどのような影響があるのでしょう？

マイナンバー導入後の養育費の申告

子供をもつ夫婦が離婚する際、どちらか一方が親権者となり子供を引き取り養育することになりますが、養育費とは、もう一方の親が未成年の子供が社会人になって自立するまで養育のために支払う費用であり、離婚しても変わらぬ親としての義務であり、子供の権利だといえます。

養育費の支払い期間は、通常は成人するまで、もしくは大学卒業するまで養育費支払いの必要が発生します。養育費の支払いが完了するまで年数があると、マイナンバー制度の適用範囲が金融機関情報に及び影響してくる可能性も十分に考えられます。

養育費と税金

養育費を受け取るにあたり、気になるのが税金です。マイナンバー制度が導入されたことにより、税や社会福祉関係の手続きが明確、簡単になる反面、支払う税金が増えるのではないかと心配されている方も多いのではないでしょうか？

受け取る養育費自体には所得税等税金はかかりませんが、児童扶養手当を受けるにあたり養育費の8割が所得に換算されるため、離婚後のひとり親家庭にとって養育費の申告は児童扶養手当の受給に大きく関係してくるといえます。

養育費と児童扶養手当

児童扶養手当は、離婚した養育者がだれでも受けられるという手当ではありません。児童扶養手当の受給条件には、一定の所得制限が設けられており、一定額以上の所得があった場合、離婚して母子家庭、父子家庭になったとしても、児童手当が満額受給されないといったケースや全額もらえないというケースも発生します。

養育費は、養育する側の所得とはみなされず所得税の対象とはならないものの、養育費計算時にはその額の8割が養育側の所得に換算されることになっています。養育費と養育者の給与額によっては、児童扶養手当が受給出きるかどうか、影響するからといって、不正受給にあたる未申告等の行為は許される行為ではありません。

マイナンバー制度の導入による養育費の不払い対応について

児童扶養手当受給者が、児童扶養手当を不正に受給するために養育費の受け取りを黙っていることはいけないことですが、養育費の問題は、受け取る側だけに問題があるともかぎりません。

一般的に養育費は、離婚時の話し合いで将来に渡って月払いで支払ってもらうことが多いですが、養育費の不払いや支払う側の経済状況の変化による養育費の減額もあり得るわけで確実に支払い続けてもらえる保障はありません。

今までは、養育費請求を厳密に実行しようとする際には、養育費を請求する側が様々な方法で請求相手の所得隠しなどを暴いたり、などと大きな負荷がかかっていましたが、今後は、銀行口座とマイナンバーが紐付けられることで、養育費の不払いや悪質な所得隠しへの対応も変わることが期待できるかもしれません。

シングルマザーが受け取れる手当などを見直しましょう

シングルマザーの数は増加しています

母子家庭（シングルマザー）になった一番多い理由は「離婚」で全体の約80%と言われています。また、母子家庭世帯の平均年収は243万円（平成28年度）です。

育ち盛りの子どもを抱えての生活や教育費にお金がかかる時期なので、経済的に苦しい状況にあるといえるでしょう。

元夫から養育費がもらえてないのも貧困理由です！

シングルマザーの経済的な困窮を招いているとして問題視されているのが、元夫からの養育費の不払いです。

このような現状を受けて、とくに途中から養育費が不払いとなった母子世帯を救済するために、養育費を立て替える制度を導入している自治体も登場しています。また、自治体によっては、養育費の確保支援事業の取り組みを開始しています。

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