養育費は子どもの成長のために必要なお金です。厚生労働省の2016年度の調査によると、離婚したシングルマザーが元夫から継続して養育費を受け取れているのは約2割だと言われています。
養育費について決めておくこと
- 養育費の金額
- 養育費を支払う時期
- 養育費の振込先口座
- 養育費の支払い期間
養育費の金額
夫婦間で養育費について合意できれば、養育費の金額は自由に設定することができます。しかし、お互いが合意できない場合には、家庭裁判所が参考にしている養育費算定表を参考に話し合いをすることになります。合意できれば、算定表の相場とは異なる金額でもかまいません。 養育費算定表は、養育費の額を素早く簡単に決めるためにあり、子の人数と子の年齢(0~14歳、15~19歳)に応じて9つの表に分かれています。両親の年収を踏まえたうえで、養育費の金額を出しています。
養育費算定表の見方
養育費算定表は、子供の人数や子供の年齢に応じて参考にすべき表が分かれています。まずはご自分のケースに当てはまる表を見つけましょう。なお、共働きの場合や専業主婦の場合でも共通になっています。 ①自分の「子供の人数」「子供の年齢」に合う表を見つけます ②「養育費を支払う側」(縦軸)と「受け取る側」(横軸)の年収が交わるゾーンの金額を見ます → 1か月間の養育費の合計額がわかります。
養育費の1世帯平均月額
厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査結果(平成28年度)によると、子供の数別でみた養育費の1世帯平均月額は以下のとおりです。
子供1人 | 子供2人 | 子供3人 | |
---|---|---|---|
母子家庭 | 38,207円 | 48,090円 | 57,739円 |
父子家庭 | 29,375円 | 32,222円 | 42,000円 |
支払う時期
一括で支払うのか、年ごとなのか、月ごとなのか、どのような頻度で支払うのか、「毎月〇日に支払う」など具体的に振込日や期限を設定しておくことが大切です。
振込先口座
どの口座に振り込んでもらうか、確実に把握できるようにしておきましょう。
支払い期間
養育費をいつまで受け取れるのか、確認しておくことが大切です。基本的にはお互いの話し合いで決めます。成人となっても、大学在学中などお金がかかることもあるかもしれません。子どもが経済的に自立するまでを目安に、「〇〇年〇月まで」など具体的に設定しておくと明確でしょう。 法務省のホームページにも、決めるべき事項を漏れなく確認して記入できる「子どもの養育に関する合意書」のひな形や、養育費について話し合ううえで知っておきたいポイントについてまとめたパンフレット「合意書作成の手引き」なども用意されていますので参考にしてみるといいかもしれません。
公正証書を作成して、もしものときは「強制執行」へ
養育費について話し合った結果は、口約束だけではなく書面に残しておいたほうが後からもめにくくなります。さらに、自分たちで用意した書面ではなく、「公正証書」という公的な文書にしておくとより確実です。 公正証書の作成や保管は、公証役場で第三者である法律の専門家が行ってくれますので安心です。取り決め内容を公正証書に残しておくことで、約束通りに支払ってくれない場合はすぐに相手の財産の差し押さえといった「強制執行」に踏み切ることができます。
ただし、公正証書であれば全て強制執行することができるわけではなく、「履行を怠った場合は強制執行できる」という執行認諾文言の付いた公正証書にしておくことが大切です。よくわからない場合は、弁護士に相談しましょう。
お住いの自治体の補助金制度を利用しましょう
近年では、各自治体による養育費確保支援の取り組みが行われていますので、一度お住まいの自治体の役場窓口やホームページで確認してみるとよいでしょう。
養育費の不払いが社会問題として取り上げられています
自治体の養育費確保支援の多くは民間の保証会社と連携して行い、養育費の受取人が保証会社へ支払う初回保証料(全額または一部)を都道府県が補助し、不払いによる立て替えや回収は保証会社が行うという仕組みが広く採用されているようです。
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