内縁関係の解消後、内縁関係の相手との間に子どもがいる方にとって、相手から養育費をもらえるかどうかはとても気になることだと思います。
内縁関係で養育費を請求することができるのか
法律上、婚姻関係にない男女間に生まれた子どもを「非嫡出子」といいます。
基本的に、母親と子どもの親子関係は明らかですが、非嫡出子の父子関係は必ずしも明らかではないといわれます。そこで、内縁の夫が子供を認知することにより、法律上、父子関係が成立することになり、内縁の夫に子どもの扶養義務が生じることになります。
子どもが認知されていれば、親権者となる母親は、相手に養育費を請求することができますが、認知されていない場合は、養育費を請求することはできません。
まずは認知をしてもらいましょう
「認知」とは法律的に父子関係を明らかにすることです。相手が認知に応じてくれた場合、役所に認知届を提出することにより手続きができます。
認知には2つのパターンがあります
認知の種類
①任意認知:父となる者が自発的に認知届を出す場合
②強制認知:任意に認知をしてもらえない場合、父の意思に関わらず子から認知を強制する場合
相手が認知に応じないとき
もし、相手が「認知」に応じてくれなかったときは、家庭裁判所で「認知調停」をしなければいけません。「認知調停」において、なぜ父が認知をしないのか、どうしたら認知をしてくれるのかなどについて話し合いを行い、その上で相手が認知に応じてくれると父子関係が確認されますが、調停でも相手が認知しない場合は、「認知訴訟」という裁判が必要になってしまいます
認知を求める調停の方法について
認知を求める調停は、子どもの父となる者の住所を管轄する家庭裁判所に、認知を求める子や子の法定代理人などが申立を行うことになります
申し立てする際に必要なもの
申立に当たっては、定型の申立書を利用し、その際に子と父の戸籍謄本、1,200円分の収入印紙などが必要になります
認知調停の流れ
申し立てしてから1カ月程度で初回の期日が設定されます。その後はひと月に1回程度の割合で期日が指定され、毎回の期日において、申立人→相手方という順番で交互にお互いの主張を調停委員に話し、調停委員から相手方の主張を聞くという形で話し合いが進んでいきます。1回の調停にかかる時間はおよそ2時間ぐらいです。申立時点でどれだけ証拠があるか、双方の主張の内容がどういったものなのか等によって調停がまとまるまでの期間は区々ですが、5~6回程度の話し合いがもたれるのが目安のようです
調停がまとまり、父が認知をしてくれるということになれば、合意に従った審判がなされることになります
それでも相手が認知しないときは
調停でも相手が認知しない場合は、「認知訴訟」という裁判が必要になってしまいます
認知訴訟とは
認知訴訟とは、DNA鑑定などをして、父子関係を確認することになります。これによって裁判所が判決により「認知」の決定をしてくれます。これによってようやく「認知」ができて、子どもと相手の父子関係が確定することになります。
養育費をもらうためには必ず「認知」をしてもらいましょう
法律上の父子関係がない場合、子供に対する扶養義務を負うことがないということになってしまいます。「認知」をしてもらえない場合は、「養育費」を任意に支払ってもらえない限り養育費をもらえないことになってしまいます。そのため、子どもの父親に対して養育費の支払いを求めたい場合には、強制認知の手続きをとって、法律上の親子関係を設定することが必要になります
その上で、相手に養育費の請求をすることになります。相手が任意に支払いに応じない場合には、離婚でシングルマザーになったケースと同様、家庭裁判所で「養育費調停」をすることになります。調停で相手が養育費の支払いに応じない場合には、やはり審判になって、裁判所が支払い命令を出してくれるでしょう
まずは認知、そして養育費請求という2つのステップが必要です
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