離婚時に養育費の取り決めを行っている夫婦は全体の半分にも満たないのが現状です。そして、継続して養育費を受け取っている母子世帯は2割程度だと言われています。
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住所不定の元夫から未払いの養育費を回収するためには
裁判所の強制執行命令による財産の差し押さえです
財産差し押さえが不可能な場合、未払いの養育費回収はかなり難しいと言うしかないでしょう。今までは、日本の行政は養育費の未払いに対して、個人間の問題とするスタンスをとっていたため、元夫が養育費を支払わずに逃げたとしても、刑罰が科されることはありませんでした。しかし、2020年の民法改正に伴い、元夫の財産については裁判所命令で正確に知ることができるようになり、未払いの養育費を回収できる可能性はかなり上がったと言われています。
未払いの養育費を差し押さえで回収するには元夫の現住所の把握が必須です
財産差し押さえを裁判所に申し立てるには、下記3つの条件が必須となります。
- 債権名義を取得している
- 元夫の現住所を把握している
- 差し押さえる財産を把握している
元夫の現住所が分からなくては、未払いの養育費を回収する為の最終手段である財産差し押さえはできないということになります。これは差し押さえの申し立て時に提出する必要書類の中に、元夫の住所を記載する当事者目録があるため、住所不定では書類不備とみなされてしまうからです。
元夫の両親に養育費の請求はできるのか?
元夫が住所不定の場合、未払いの養育費回収は諦めるしかないのでしょうか?元夫の両親に支払いを求めることはできるのでしょうか?
明確な財産の特定ができるなら公示送達制度の利用を
住所不定で勤務先も分からない場合、もし、元夫が所有している財産を明確に把握していれば手が無いわけではありません。それは、公示送達制度を利用することでその財産を差し押さえることが可能になるからです。
速達にも色々な方法があることをご存じですか?
- 通常送達:相手の住所がわかっている場合の原則的な送達方法
- 就業先送達:相手が住所不定だが勤務先が分かっている場合、勤務先に送達する方法
- 補充送達:同居人に受領してもらう送達方法
- 付郵便送達:相手が受け取らなくても送達済みとできる送達方法
- 公示送達:裁判所の掲示板などに送達物を掲示する送達方法
未払いの養育費を回収できる元夫の財産を把握している場合は、有効な回収方法となるでしょう。
元夫の住所を調べるには手立てがないのでしょうか?
- 戸籍の附票を取得する
- 弁護士照会制度を利用する
- 探偵事務所に依頼する
調べ方としては、1 → 2 → 3 の順に進めていくのがベストでしょう。
戸籍の附票を取得する
住所移転時に最も簡単に相手の現住所を確認する方法として挙げられるのが、戸籍の附票の取得です。戸籍の附票とは住所の移転履歴を記載した書類であり、本籍地の役所で交付してもらうことができます。
現住所は住民票でも確認することができますが、相手が転居して住民票が除票されている場合、その保存期間は5年ですので、転居後5年経過している場合は、住民票では転居先を確認することができません。
また、住民票には転居先の住所は記載されているものの、その転居先から新たに転居している場合は住民票をたどっていく必要があります。
離婚しても元夫の戸籍の附票はもらえます!
戸籍の附票の取得方法
元夫の戸籍の附票を取得できるのは本籍地の役所になりますが、郵送請求もできますので、本籍が遠隔地でも何ら問題はありません。
- 請求用紙(役所のHPからダウンロード可)
- 切手を貼った返信用封筒(切手代は役所によって違います)
- 手数料(役所によって違います)
- 請求者の本人確認書(運転免許証や健康保険証などのコピー)
- 請求者情報(住所、氏名、生年月日、昼間連絡が取れる電話番号)
- 申請者の署名と捺印
- 請求理由と使用目的
- 本人の委任状(*子供に代わって元妻が請求する場合)
弁護士照会制度を利用しましょう
養育費回収を弁護士に依頼した場合、弁護士は弁護士照会制度を利用して、元夫の現住所を調べることができます。
ぜひ、プロの弁護士に依頼することをおすすめします
戸籍の附票で現住所が確認できれば問題ありませんが、元夫が転居届を出していないこともあるでしょう。この場合、転居先が戸籍の附票に記載されないので、取得しても現住所を知ることはできません。
次の方法としてお勧めするのは弁護士照会制度の利用です。戸籍の附票で現住所が確認できない場合は、弁護士に相談するのが得策でしょう。
住所のわからない元夫の住所をつきとめるには
養育費の未払い問題に関して、ひとりで悩まずに経験豊富な弁護士に相談することをおすすめします。こちらの法律事務所では、離婚問題や養育費請求に詳しい弁護士が、あなたに代わって養育費の請求・回収を行ってくれます。また、無料相談も行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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弁護士照会制度とは?
この弁護士照会制度を利用すれば、下記のような情報を調べることができます。
- 携帯電話の契約者氏名、住所、契約年月日、電話料金の引落口座
- 携帯電話のメールアドレスから電話番号の照会
- 銀行口座の照会
- 生命保険契約の有無とその契約内容
- 出入国記録